XW開発チームインタビュー

抱き続けてきたアイデアと想いが多彩な機能に結実。

もう何年も前から、エンジニア達には機能に関するいくつものアイデアと想いがありました。今回それまで試作した機能を出し合い、磨き上げて搭載したのが、ヘクスレイヤー、ステップシーケンサー、サンプルルーパー、ソロシンセサイザーなどです。特にソロシンセサイザーは10年近く前からプロトタイプがあって、このモデル向けに形を変えて今の姿になっています。

完成するまでに乗り越えてきた壁は数知れない。

これらをはじめとした数々の機能を実装するまでに、立ちはだかってきた壁やエピソードは数え切れないほどありましたね。企業秘密ばかりなので具体的にはお話できませんが、開発中はハードウェアとソフトウェアの限界への挑戦の連続でした。TVドラマのように毎週大きな問題が発生しては最後にみんなで知恵を絞って解決するということの繰り返しです。今度こそダメか、と思っていると思いも寄らない解決策が出てくるのです。

XWのこだわりぬいた機能をぜひ試して欲しい。

XWにはクオリティの高い音楽を創りだす様々な機能が搭載されています。実際にXWを使ってみたいプレイヤーに、あまり知られていないけど意外に使える機能をご紹介しましょう。まず、ステップシーケンサーはキーボードで普通にステップ入力することもできます。曲を作るならこれが便利です。ステップシーケンサーにはステップ毎にコントロールメッセージを記録できるので、ソロシンセと組み合わせると凄い表現力を発揮します。Mic/Inst Inからソロシンセに入力されたサウンドをアルペジオやステップシーケンサーで鳴らすと、何でも音楽になってしまいます。ソロシンセサイザーのエンベロープジェネレーターやLFOはシーケンサーのテンポと同期できるので音楽的な音色変化を簡単に作れます。Data Editorアプリケーションを使うとMIDIファイルを「フレーズ」データに変換して本体に取り込むことができます。XW-G1用Data Editorアプリ1.10以降を使うと、XW-G1にパソコン上の波形を流し込むことができるようになります。最大限に活用して、新しい音楽をどんどん生み出して欲しいですね。

XWは、音楽市場に与えるちょっとしたサプライズ。

久しぶりにシンセサイザーを発売することができ、市場的にはちょっとしたサプライズになったと思います。また、カシオには、こういう楽器を作りたい人がいて、作るだけの技術力があることもおわかりいただけたかと思います。

XWは個性的というだけでなく、ユーザーのポテンシャルを活かせる楽器に仕上がったと思っています。使い込むほどに手放せなくなる渾身のグルーブマシンをぜひ手に取ってみてください。

開発担当 佐藤博毅