XW開発チームインタビュー

企画担当 岩瀬 広

今までの経験の積み重ねが、XWを生む原動力に。

カシオの電子楽器一号機のCT-201は、ポリフォニックで様々な音が一台で弾けることに感動した人が多かったと思います。学生時代の私もその中の一人でした。その後、カシオはしばらくシンセサイザーという最先端の音の追求を続けました。次に、その技術を生かして、初心者にも楽しさを伝えることで、音楽人口を拡大するべきだという想いから、電子キーボードや電子ピアノにまで事業領域を広げました。あれから20年以上の歳月がたち、今度は電子キーボードや電子ピアノで培ったノウハウをシンセサイザーに吹き込めば、新たな電子楽器の楽しみ方を伝えられると考えたわけです。電子キーボードや電子ピアノの開発で得られた経験の積み重ねこそが、24年ぶりのシンセサイザー誕生の原動力だったと思います。

アイデアを切り捨てることで、ベストバランスが生まれる。

全ての電子楽器の開発に言えることだと思いますが、対応したい機能のアイデアは無数にあり、開発途中でもそれらは増え続けました。しかしながら、それら全てに対応してしまっては、使い難くまとまりのないものになり、更に高価な製品になってしまうことでしょう。新機能のアイデア出しよりも、どのアイデアを切り捨てて一台の製品としてまとめあげるか。その追求の結果、XWのコンセプトにふさわしいベストなバランスが生まれました。

先人達による電子楽器の歴史が、インスパイアの源。

開発に携わった各担当者は、それぞれに影響を受けた楽器や音楽があったかもしれませんが、自分は先人達が創り出してきた電子楽器の進化の歴史にインスパイアされたと思います。そしてそれらの歴史を踏まえつつ、歴史上にない、ユニークでカシオらしい商品に仕上がるように心がけてきました。

すべてのひとに、演奏することの楽しさを味わって欲しい。

XWシリーズは、これまでのシンセサイザーのように、専門知識や鍵盤演奏技術をもった一握りのプレイヤーのための楽器ではなく、鍵盤初心者や鍵盤が弾けない方も含めて、もっと多くの方に使って頂きたいと思っています。それによって、既存の楽器のサンプリング音ではないシンセサイザーならではの音の迫力や、音創りの楽しさ、シーケンサーを使って自分自身のビートを創りだすおもしろさを感じ取って頂きたいと思います。