デザイナーが描くForm the Unique vol.2
「ユニークの結晶」
今回はカシオデザインが雑誌に掲載したグラフィック作品のご紹介です。
カシオデザインのPhilosophyである「Form the Unique」をデザイナーが表現しました。
担当デザイナーが考えたことや、出来上がるまでの経緯をお話しします。
*今回ご紹介する作品は、雑誌AXIS vol.229(2024年7月1日発売)に掲載されています
私の考えるForm the Unique
私が新卒で入社してから3年が経ち、日々、様々なデザイナーと仕事をすることが増えました。デザイナーにはそれぞれの個性があり、それらがユニークな製品に繋がっていると感じます。
製品が完成するまでには無数のアイデア/試行錯誤があって、デザイナーは色々な想いや悩み、葛藤を抱えているのですが、そんな過程の全てを含めて製品が出来上がります。
そうして結晶となり誕生するのがForm the Uniqueであり、それを多種多様な製品で実現しているのがカシオらしいと私は考え、そのことを作品で表現したいと思いました。
たどり着いた表現方法
一番表現したかったのは、私が考えるForm the Uniqueの素となる、製品が出来るまでの過程とデザイナーの想いです。そこには様々なストーリーがあるのですが、それをどうやって表現するか悩みました。
アイデアを色々描きながら考えていたのですが、デザイナーが話しているように想いを吹き出しで入れて、製品が出来るまでの過程のいくつかをコマの中で表現したら、ストーリー性も感じられて面白いかな、と思ったんです。
「・・・漫画風にしてみるか」
ワクワク感、共感、笑い、そして私の想い
アイデアをこねくり回している時の頭の中はゴチャゴチャで、納期が迫りつつある時は忙しく、そしてムカつくことや悲しいことがあり悩みは尽きず・・・製品ができるまでには色々あります。でも、そんな苦労も含めて私たちは楽しんでデザインしていて、そこにあるワクワク感を作品に込めました。
吹き出しには、デザイナーのリアルな声を載せたかったので、周りの仲間にアンケートに協力してもらい、声を集めています。その一つひとつに笑ったり、共感したりしながら選びました。
そして、イラストの周りに書かれている赤ペン。これは、私がこの作品を描いている時のメモです。この作品が完成するまでの過程も、私の想いも、結晶の一部なので。
アイデアが固まった時点で、イラストを描く時間は十分にありましたが、結局他の仕事との兼ね合いもあり、最後は納期が迫る中、描くことに・・・
そのおかげで、描いたイラストに対してクヨクヨ振り返っている時間はなかったので、集中して一気に描き上げることができました。
これが私のForm the Uniqueです。
今回のグラフィック作品は、雑誌AXIS vol.229(2024年7月1日発売)に掲載されています。
デザイン誌「AXIS」 | https://www.axismag.jp/axis_magazine/597763.html
可視化された音の流れが、
プレイヤーの感性を刺激する
CASIO独自のHorizontal Bass-Reflex System(*1)によって実現した、高音質でありながらコンパクトなボディという
「CT-S1000V」の特徴。
これをデザインで表現するという課題もまた、難関のひとつでした。
そこで着目したのが、パンチングネット部分です。
プレイヤーが調整しながら生み出した音源が、アンプからスピーカーに送られ、音として流れる動きを、造形によって視覚的に再現。
さらに所有欲を刺激するため、パンチングネット越しに配置された大胆なCasiotoneのロゴや、緻密な立体造形にもこだわり、デザインが完成しました。