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学ぶことが楽しくなるプロダクトデザイン

関数電卓「ClassWiz CG」

「数学=難しい」というネガティブな印象から国際的な数学履修者の減少傾向が加速しています。
そこで「授業で学生が仕方なく使う道具」から「数学への学生の好奇心を育むきっかけ」へアップデートすることを目的に、誰もが簡単に操作できて数学に親しめるようになる関数電卓の実現を目指しました。

三角関数や微分・積分などの計算ができる関数電卓は欧州では授業で使うのが主流で試験に持ち込むことも許可されている国もあるほど。
今回はそんな関数電卓のフラッグシップモデルのリニューアルデザインについてご紹介します。

親しみやすく、学ぶことが楽しくなるように

リニューアル前はエッジのある形状でメタリックな質感を多用したメカニカルな印象のもので、高機能感や信頼感は強いものの「難しそう」なデザインでした。そこで全体の形状や丸ボタンなど、柔らかいラインや形で表現することによって、親しみやすい印象に大きくチェンジしました。この丸ボタンは力が均等に伝わり押しやすいという使いやすさも兼ね備えていて、見た目だけではなく操作性にもこだわっています。

さらに適切なキーピッチや液晶サイズを模索。頻繁に使う十字キーは一段の凹みを設けたり、下のボタン列とクリアランスを設けたりと、配置も工夫しました。

専用のゴーグルを使い、色差を確認

誰もが使いやすい・見やすいデザイン

どんな人にも別け隔てなく学びの機会を提供できるよう、ユニバーサルデザインにもこだわりました。キー操作を表示する重要な青と赤のカラーは、色弱の方の見た目をシミュレーションできるゴーグルをデザイナーがかけて色の差がしっかり見えるのかを確認しています。さらに色の差を数値として計測。数値でどのぐらい差がないと見えにくいかを独自ルールとして設定しシビアに検討したカラーリングです。

また特にシェアの高いフランスに向け、現地教職員と意見交換を行い、欧州に多いブルーアイの方の見え方も検証してカラーを選び抜きました。

心地よく手に馴染むカタチ

背面に格納する電池を考慮すると、一定の厚みが出てしまう……それでも少しでもスリムに、手に取ったとき「親しみやすさ」を感じてほしい。理想のカタチを追求するため、3Dプリンターを使った試作が繰り返されました。

どうすれば手に馴染むものになるのか。背面全体をゆるやかなカーブで描き、側面には滑り止めを兼ねた縁を設けることで、納得の行くカタチが出来上がりました。

細部へのこだわり

学びの時間を、できるだけ楽しんでほしい。そうしたデザイナーの想いも随所に込められています。

たとえば滑り止めの目的で本体側面に施された凹状パターンは、実はプラスやマイナスなど四則計算の記号を組み合わせたもの。ゴム足の「+」マークや、背面の電池ケースもラウンド形状にするなど、心和むような見栄えにしました。

ケースにはレザーのような表面加工を施して、フラッグシップモデルとしての高級感を演出しています。いつも身近にある道具だからこそ、少しでも気分よく使えるようこだわったディテールはぜひ手にとって見ていただきたいポイントです。

音楽好きの学生がヘッドホンをカバンに入れるような感覚で、この関数電卓もカバンの中に入れていてほしい。
「親しみやすさ」を徹底したことで、新しいスタイルの関数電卓が完成しました。

可視化された音の流れが、
プレイヤーの感性を刺激する

CASIO独自のHorizontal Bass-Reflex System(*1)によって実現した、高音質でありながらコンパクトなボディという
「CT-S1000V」の特徴。

これをデザインで表現するという課題もまた、難関のひとつでした。

そこで着目したのが、パンチングネット部分です。

プレイヤーが調整しながら生み出した音源が、アンプからスピーカーに送られ、音として流れる動きを、造形によって視覚的に再現。

さらに所有欲を刺激するため、パンチングネット越しに配置された大胆なCasiotoneのロゴや、緻密な立体造形にもこだわり、デザインが完成しました。

 

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