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stories vol.12 | CASIO

パッケージコンセプトデザイン

パッケージコンセプトデザイン

「ミュージックモンスター」

ウォッチフェイスUIデザイン

「ミュージックモンスター」

日々、私たちが生み出しているデザインを、
開発の流れを交えて担当デザイナー本人の視点から語ります。
今回はミュージックモンスターのパッケージデザイン開発ストーリーをご紹介します。

「出会い」を
デザインしてみたら

「make music, anytime, anywhere」

カシオの楽器ブランドの一つであるCasiotoneは、年齢やスキルを問わず「誰もが、自由に、音楽を楽しめること」を大切にして商品を作っていますが、私たちは、「世界中の子供たちに音楽を楽しんでもらいたい」という想いを抱いています。

そこで「子供にとって、楽器との特別な出会いを作れないか?」と考えて、新しいパッケージのコンセプトデザイン開発を行いました。

メインコンセプトは「ミュージックモンスターと一緒に、もっと自由に音楽を楽しもう!」

デザイナーがあるべき姿を具体化し、社内外に発信した先行開発プロジェクトです。

ユニークな体験って価値になる

このパッケージの主役は「ミュージックモンスター」。

子供たちとの出会いが音楽に興味を持つきっかけになるようにデザインを考えました。

鍵盤を歯に見立てたユニークなグラフィック。
その口を開けるとモンスターが歌い出して止まりません。
内側にはモンスターの歌声をイメージしたタイポグラフィ。
子供たちだけでなく、その周りのみんなにも楽しさが広がってほしいという思いを込めました。
また、長く愛着を持って使ってもらえるように、収納BOXとしても活用できるようにしてあります。
このパッケージは、そこで生まれるユニークな<ユーザーと商品の出会い>の体験も含めてデザインしました。

理想の追求と試行錯誤。
そしてPentawardsへ

最終デザインにたどり着くまでに、たくさんのモンスターが生まれています。プロジェクトメンバー全員での試行錯誤の結果です。グラフィックも構造も、理想を追求し何度も試作を重ねました。
棚の上にはいつしかサンプルの山が・・・
通常の業務もある中でのプロジェクト推進ですが、新しいコンセプトの具体化のためにみんなでモチベーション高く取り組みました。
開発当初から、このアイデアで、世界最高峰のパッケージデザインアワードである「Pentawards」のコンセプトデザイン部門に応募し、受賞することを目指していました。
「自分たちの考えたことを世界で評価してもらいたい!」そんな想いで、完成度を上げるために、締め切りギリギリまで粘りました。
最後は学園祭の準備を思い出すテンションでまとめあげました。

不安と期待、
海の向こうからの反応は

審査を待つ期間に、山積みのサンプルを目にした同僚や他部署メンバーから、興味深そうな反応が何度かあったので、不安の中にも期待はありました。
最終結果はなんと銀賞授賞!
今年は新型コロナの影響で現地でのセレモニーは行われず、結果発表はオンライン開催でしたが、そのおかげでメンバー全員が同時に受賞の瞬間に立ち合い、感動を共有することができ、みんなの苦労が報われた瞬間でした(涙)
社内での反響も大きく、海外の販売代理店から「見た瞬間にデザインが気に入った、とてもクール」という反応があり、現地のWebサイトでも紹介していただきました。
グローバルに活躍する審査委員の評価と、海外の代理店からの反応は、私たちの考えたコンセプトが世界で認められた証だと思っています。

「子供と商品との出会いをデザインしてみたら」と始まった今回のプロジェクト。
ユーザーと楽器の最初の出会いにふさわしいデザインとは?
それを考えに考えた結果、見た瞬間にワクワクする「ミュージックモンスター」にたどり着きました。
商品化に向けてはまだまだ課題がありますが、一つ一つ乗り越えて量産化につなげたいと思います。

さて、次はどんな価値を生み出すパッケージデザインを考えましょうか・・・

可視化された音の流れが、
プレイヤーの感性を刺激する

CASIO独自のHorizontal Bass-Reflex System(*1)によって実現した、高音質でありながらコンパクトなボディという
「CT-S1000V」の特徴。

これをデザインで表現するという課題もまた、難関のひとつでした。

そこで着目したのが、パンチングネット部分です。

プレイヤーが調整しながら生み出した音源が、アンプからスピーカーに送られ、音として流れる動きを、造形によって視覚的に再現。

さらに所有欲を刺激するため、パンチングネット越しに配置された大胆なCasiotoneのロゴや、緻密な立体造形にもこだわり、デザインが完成しました。

 

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