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ORIGIN「DW-5000」をベースにした

G-SHOCKの新しい姿 “GA-2100”

日々、私たちが生み出している商品を、開発の流れを交えて担当デザイナー本人の視点から語ります。
今回は「G-SHOCK “GA-2100”」のデザイン開発ストーリーをご紹介します。

ORIGINをベースに

多くの方に永く愛していただいているG-SHOCK。そんなG-SHOCKはいま、若年層にしっかりとアピールできているか。ストリートカルチャーの必須アイテムとして認識されているか。若者からの熱い支持を受けるためにG-SHOCKの新しい姿を表現する。そんな想いからGA-2100の開発がスタートしました。デザインを始めるときに意識したのは、いまも人気のORIGIN「DW-5000」。このDW-5000で特徴的な8角形のベゼルを敢えて継承し、アナログモデルをつくってみようと考えました。ORIGINという原点に立ち返る。それは進化になるのか?新しい姿を表現できるのか?そう自問自答しながら、ワールドワイドなディスカッションを行いました。

自分の直感と
世界のマーケティングと

ディスカッションは東京をはじめ、パリ、ハンブルグ、ニューヨーク、上海で実施。それぞれの現地にいるカシオのスタッフとファッション関係などの有識者を交えて行われ、結果、DW-5000の良さを活かしながらデザインを進めていくことになりました。まず、サイズ感やシンプル具合も含めてこのDW-5000をベースにするのが正解という自分の直感があり、それに世界のトレンドが合致したという感じでした。しかし、目標が定まっても、形はなかなか定まりません。実際の苦労はここからでした。「G-SHOCKは大きくて厚いもの。それなのにシンプルなG-SHOCKなんてありなのか」という議論のなか、デザインの暗中模索が始まりました。

G-SHOCKらしさを求めて

フラグシップモデルであるPX-S7000の世界観は、今までのピアノが持つイメージとは異なります。

「ピアノは壁際に置かれている、重くて黒くて大きい楽器」という伝統的な従来のピアノのイメージから脱却するには、思い切った刷新が必要でした。 「昔ピアノを弾いていたけれど、いろいろな理由でピアノから離れてしまった」という大人に、もう一度ピアノを弾く楽しみを味わい、音のある生活を感じてもらいたい。

そんな思いから生まれたPX-S7000の魅力を、ユーザーまで最大限に伝えるための世界観を考えました。

いくつものスケッチを描き、デザインを起こし、3Dプリンターで出力し、検討をする。この作業を何回も重ねました。そうして生まれたのがいま発売されているGA-2100です。通常イメージされるG-SHOCK よりも薄い感じになっています。これは工夫を重ねることで、薄さのなかでG-SHOCKらしい力強さのある造形としたからです。さらに、厚さがなくても衝撃に耐えられるカーボンコアガード構造とカーボン繊維を含んだ樹脂を採用しているから。素材の進化がこの薄さを実現しました。フェイスの8角形は正8角形ではありません。ちょっと横長になっています。そのほうが座りが良く、力強さが生まれます。また、G-SHOCKらしい立体感を出すために、文字盤を彫り込んだ上にリングを置くなど試行錯誤しました。ちょっとした工夫を積み重ねることで、シンプルでも、薄くても、G-SHOCKらしくなります。

様々な赤色を使いわける

カラーバリエーションについては、黒は当初からありました。そしてもう1色は、G-SHOCKらしく赤にしました。この赤のモデルには9色もの赤が使われています。針で1色、ベゼルとバンドで1色、文字盤で3色など。全部が同色では視認性が悪くなるので、微妙に明度などトーンを変えながら、個々のパーツが際立つようにしてあります。しかも、そのほとんどがG-SHOCKでは初採用の新色です。9色の赤を使ったモデルなんて、そうはありませんよ。

若者をつかむ、新生G-SHOCK

時計のデザインは制約が多い。だからたくさんのアイデアが必要です。そのためにいっぱい絵を描きます。描きながらどんどんリアルなものに近づけていきます。昔、先輩にスケッチは小さく描けと言われました。大きく描くとディテールまで気になってきて、時間もかかる。だから僕は付箋に描いています。あの細い付箋です。そしていいなと思ったものをコンピューターで描く。GA-2100も最初は8角形と丸とバンドの、落書きのようなスケッチから始まっています。

薄く、シンプルに、いまの時代らしく。
それでいてG-SHOCKの系譜が表現されている。
そんな腕時計になったと思っています。
これまで大きいサイズのG-SHOCKしか売れないと言われていたアメリカでも好評です。
このモデルで、世界の若いユーザーをキャッチできることを願います。

可視化された音の流れが、
プレイヤーの感性を刺激する

CASIO独自のHorizontal Bass-Reflex System(*1)によって実現した、高音質でありながらコンパクトなボディという
「CT-S1000V」の特徴。

これをデザインで表現するという課題もまた、難関のひとつでした。

そこで着目したのが、パンチングネット部分です。

プレイヤーが調整しながら生み出した音源が、アンプからスピーカーに送られ、音として流れる動きを、造形によって視覚的に再現。

さらに所有欲を刺激するため、パンチングネット越しに配置された大胆なCasiotoneのロゴや、緻密な立体造形にもこだわり、デザインが完成しました。

 

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