
カシオデザイナーの趣味の世界
カシオデザインには音楽やゲームからアウトドアまで、多種多様な趣味を持つデザイナーが集まっています。
今回はレザークラフトなどの工芸制作の趣味が高じて販売も行っているデザイナーに、仕事以外でどんな制作をしているかインタビュー!その中でも、2025年7月26日〜8月14日にかけて行われた、たこをテーマにしたグループ展「超(スーパー)たこまみれ展」のために制作した、たこをモチーフにしたレザーバッグについてお聞きしました。

今回取材したのは
入社20年以上のベテランデザイナー
なんでたこ???「たこバッグ」制作秘話
作品はオンラインだけではなく、西荻窪にあるアートギャラリー『ニヒル牛』でも展示販売をしています。今回のたこバッグは、ニヒル牛の店長から突然「たこ作らない?」と。
たこの編みぐるみ作家「たこを編む人(ぱら)」(@knitting_tako)さんの提案で、ニヒル牛に出展する作家さんたちが自分なりのたこ作品を持ち寄る展示会を開催したい、とのことで声がかかったそうです。

『ニヒル牛』は、バンド「たま」の石川浩司さんプロデュースによるアートギャラリー・雑貨店。
主に土日を利用してたこバッグの制作をスタート
ちょうど家にあった革の色がたこに合う!と考え参加を決意。通常リュックは2本の持ち手ですが、たこの8本だったらどうだろう?と想像を巡らせてたこが絡みつくような形状のリュックを考案。たこを徹底的に調べ、GW前に型紙を作り始めて7月中旬に完成!
型紙作成では「こうしたい」という理想と「余っている革の量」とのバランスが非常にシビアだったと振り返ります。縫い上げると平面ではない立体になるため、その調整に苦労したそうです。
ターゲットは女性客が多いことからサイズ感にもこだわりました。たこの足一本を縫うのに約2時間、吸盤をつけるのに30分かかるとのことで、聞いただけで気が遠くなりそうですが、本人は地道な作業も淡々とこなしている様子です。
“カワイイ”に寄せないリアルなフォルム
こだわりはお客さんや他の作家さんが女性が多いからといって「“カワイイ”に寄せない」こと。他の作家さんからカワイイものは出てくるだろうから、自分はあえて、とのこと。 目も吸盤もあえてリアル寄りにして、“カワイイ”に寄せないことがポイント。と会話していたところ丁度目の前にあるタコバッグをみた女性が「なにこれ〜、うわぁ〜」と驚いたのは狙い通りのリアクション(笑)。


とはいえ、いざ背負ってみるとカワイイ!!

超(スーパー)たこまみれ展 店内の様子

同僚からオーダーが入ることも
お母様が趣味で革を扱った制作をしているのを横目で見ていたのをキッカケに、中学の美術の授業でパスケースを革でつくり始めたそうです。他にもバイクに乗っていた頃には、シフトチェンジの時にシューズを守るシフトガードを自作したり、お子さんのために球体の野球ボールづくりに挑戦したりしたそうです。いつしかカシオデザインの同僚からオーダーが入るようになり、トランペットのケースやスマホカバー、バッグなど、たくさんの作品が生み出されてきました。
オンラインショッピングが普及してからはハンドメイド販売サイトでキャンプの時に使うナイフカバーの注文が殺到。年間50本くらい制作していたそうです。

趣味が仕事に繋がる瞬間
カシオが手掛けていたデジカメや電子辞書に新機種が出るたびにプロダクトに合わせた専用ケースが欲しい!という話が出ていました。
ある時デザイン部門のトップが「カッコイイのがいいよね!」「革ケース考えるならアイツだな」という流れで、上司から「やってみない?」と依頼されました。どんな革がいいか、色はどうするかを考え、スケッチを描きながら試作品を手作りで検討・最終的には量産メーカーに依頼して商品化したこともあります。
次の挑戦は木製の恐竜
次なる挑戦は、木で恐竜を作ること。現在は頭部のみで、歯の部分を埋める作業があり、73本で完成したようです。 全長1.5mの恐竜が完成する日を楽しみにしています!
