第9回  氏家流にXWパフォーマンスを魅せます!最終回

さて最終回となりましたが、今回は私が実戦でどのようにXWを活用しているか?をご紹介しましょう。

XWのセミナーでは全国の楽器店にてライブ形式のセミナーを行いました。客席から手元や操作が分かるように、客席側に鍵盤を向けXW-G1、XW-P1をハの字型にセッティングし、さらに中央に設置したカメラで操作の様子をクローズアップしてプロジェクターに投影しながら機能を説明したのですが、「分かりやすい」と概ね好評だったようです。

セミナーの1曲めでは、iPad内のiTunesでバッキングファイルを再生し、XW-G1、XW-P1をそれぞれ弾きましたが、オープニングの前奏曲的インプロビゼーションをXW-P1の“Sleep State”というへクスレイヤーの超重厚なパッドサウンドで演奏し、iPadのバッキングがスタートした後は、XW-G1の”MG Raw Lead“という往年のアナログ・リードサウンドをノブでカットオフ、レゾナンスをグリグリ動かしながらリード・メロディを演奏しました。

”MG Raw Lead“はプリセット状態ではドライなサウンドなので、DSPエフェクターでステレオ・ディレイを付加し、スペイシーなリードサウンドにエディットしています。バッキングがアンビエント・エレクトロ的サウンドなのでバツグンにマッチしましたね。

このムービーでもその曲をオープニングで演奏しているのでお聞き下さい。

いつものセッティングでは、iPadをXW-P1のAUDIO INに接続しています。両方共ミニ・ステレオ・ホーン端子なので、ミニ・ステレオ・ホーン<>ミニ・ステレオ・ホーンのケーブルを用意します。
さらにXW-G1にはサンプル・ルーパーに直接録音するためのエレキギターを、INST INに接続しています。XW-G1とエレキギターの間には市販のアンプシミュレーターのエフェクターを接続して、予めエレキギターの音色を多少歪ませて使うのが私は好みですね。声もサンプリングしたいのでMIC INにはマイクがダイレクトに接続されています。

iPadのステレオ出力、エレキギター、マイクがダイレクトにXWに接続できるって、やっぱりものすごく便利ですね。外部入力用に4chのミキサーが内蔵されているのと全く同じ状態ですものね。

 

さて、私、「氏家克典Super Project」というバンドを組んで活動していますが、そこでもXWを活用しています。

88鍵のエレクトリック・ピアノの上にXW-P1をセッティングしています。どの音色も最高ですが、特にライブでのお気に入りの音色は、

“Tremoro EP 1“・・・左右に定位が動くトレモロエフェクトのかかったエレクトリックピアノの音色です。トリッキーにグリッサンドさせると目立ちますね。
“Stereo  Brass“・・・ステレオ・サンプリングのブラスセクション音色です。この音色は抜けの良さが素晴らしく、ワンポイントで使うと非常に効果的です。
”ドローバーオルガン“・・・ライブではホント重宝します。他のオルガンとは一線を画す、カシオならではのオリジナリティあふれるオルガントーンだと思います。

 

ということで10回に渡って連載したコラム『カシオのカムバックシンセXWを斬る!氏家克典流XW活用術』もこれで終了です。
まだまだ語りきれていない機能もあるのですが、XWの魅力が少しでも伝われば幸いです。

皆さんもぜひ、XWならではのシンセライフを満喫してみて下さい!!
ほんとオススメ&楽しいよ~!

学生時代よりEAST&WESTや 世界歌謡祭など数々のコンテストに出場するかたわら、作編曲、自己のグループ、スタジオミュージシャンなど本格的プロ活動をスタート。音楽コンサルティング、音楽ソフトウエア企画制作、音楽学校運営、作編曲、プロデュース、国内/海外デモンストレーション、研修、後進育成、連載執筆など、その活動は多岐に渡っている。特にデジタル楽器関連の分野では、その軽妙で豊かな経験に基く語り口と独自の視点によるハイクオリティで斬新なプロデュース作品が、常に業界の注目を浴びている。
また、いままで手掛けたTVCM音楽/楽器内蔵デモ曲は数百曲、デモ演奏/研修で訪れた国々は15ヶ国以上に及ぶ。
一般社団法人日本シンセサイザー・プログラマー協会(JSPA)理事