さて今回は、XWによるパフォーマンスがいかに魅力的でクリエイティブであるか?を私なりの解釈で皆様にご紹介しようと思います。
その前にまずは、XWの魅力を再確認してみましょう。
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- HPSS(Hybrid Processing Sound Source)音源による極上のサウンド
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- 9トラック構成によるXWならではの
最大16ステップによるステップ・シーケンサー - ●
- ステップ・シーケンサーと完全同期する
フレーズ・シーケンサーとアルペジエイター - ●
- 高品位かつ過激な4系統エフェクターとミキサー機能
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- 様々な機器を接続可能な豊富な入出力端子群
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- エレキギターよりも軽い超軽量5.4kg、アルカリ電池で約35時間駆動可
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- 最高に使いやすく超クリエイティブなサンプル・ルーパー(XW-G1のみ)
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- 重厚なヘクスレイヤー音色とドローバーオルガン機能(XW-P1のみ)
以上となります。
あらためて見てもスゴい充実ぶりですね。この機能で、カシオならではの超コスト・パフォーマンスが実現できているのが驚異的です。すばらしい!!
これらの機能をどう使いこなすか?が我々使う側のセンスなわけですね。機材や機能に振り回されてはいけません!!がんがんに使い倒す!自分なりに料理する!これがシンセサイザーを使いこなす大きな動機&心意気ですな!!
まずは、XW-G1のパフォーマンス・モード“PERFORM P:0-1 Club Set 1”を例に見てみましょう。

このパフォーマンスは、以下の設定がされています。
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- C4の鍵盤を境にスプリット(分割)されている
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- スプリットのロワー(低い)側は、P:285 VA Synth 1とP:288 VA Synth 4のレイヤー(重ね)によるシンセベース音色。もの凄い音圧!!
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- スプリットのアッパー(高い)側は、P:290 VA Synth 6。どんな大音響でも抜けまくるサウンドですね!

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- ステップ・シーケンサーは、P:0-0 Club Beat 1が選択されています。まさに最先端のテクノ・エレクトロ!
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- さらにC5~C6の鍵盤で、瞬時にパラメーターを切り替えたりフレーズを再生できる“マルチファンクションキー機能”で以下の設定がされています。

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- C5 ・・・ステップ・シーケンサーがP:0-3 Club Beat 4に入れ替わり
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- C#5・・・TEMPOを瞬時に130に設定
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- D5・・・フレーズ・シーケンサーP:0-3 Synth Phrase4が再生
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- Eb5・・・押している間でTEMPOがダウン
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- E5・・・逆回転(リバース)のシンバルが再生
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- F5・・・Kick(バスドラ)が鳴る
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- F#5・・・押している間でTEMPOがアップ
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- G5・・・フレーズ・シーケンサーP:5-3 Fill-In 1が再生
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- Ab5・・・フレーズ・シーケンサーP:9-8 Snare Phraseが再生
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- A5・・・フレーズ・シーケンサーP:5-4 Fill-In 2が再生
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- Bb5・・・逆回転(リバース)のKickが鳴る
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- B5・・・フレーズ・シーケンサーの強制ストップ
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- C5・・・逆回転(リバース)のスネアドラムが鳴る
これだけの綿密なプログラミングが、1つのパフォーマンス内で構築できるという事が驚異的!私の長~いシンセサイザー人生の中でも、これほどのスゴいパフォーマンス機能は見たことがありません。 これらの設定を駆使した演奏を聴いてみて下さい。

学生時代よりEAST&WESTや 世界歌謡祭など数々のコンテストに出場するかたわら、作編曲、自己のグループ、スタジオミュージシャンなど本格的プロ活動をスタート。音楽コンサルティング、音楽ソフトウエア企画制作、音楽学校運営、作編曲、プロデュース、国内/海外デモンストレーション、研修、後進育成、連載執筆など、その活動は多岐に渡っている。特にデジタル楽器関連の分野では、その軽妙で豊かな経験に基く語り口と独自の視点によるハイクオリティで斬新なプロデュース作品が、常に業界の注目を浴びている。
また、いままで手掛けたTVCM音楽/楽器内蔵デモ曲は数百曲、デモ演奏/研修で訪れた国々は15ヶ国以上に及ぶ。
一般社団法人日本シンセサイザー・プログラマー協会(JSPA)理事