前回はステップ・シーケンサーについて基本的な使い方から応用的な活用法まで紹介しましたが、今回はフレーズ・シーケンサーです。
フレーズ・シーケンサーとは、様々な楽器別のフレーズ(演奏情報)としてカシオが用意したプリセットが100フレーズ、さらに自分の録音したフレーズとしてユーザーエリアに100フレーズ記憶できます。構成トラック数は1つ、すなわち1つの楽器のフレーズとして活用します。

フレーズ・シーケンサーには3つのボタンがあります。
KEYPLAY
ここが点灯している時に鍵盤を押せば、鳴っているフレーズを瞬時に移調させることができます。また、SELECT機能も併用しており、長押しすることで、フレーズを選択する画面をディスプレイに表示させることができます。

PLAY/STOP

押すことで点灯し、フレーズがスタートします。再度押すと消灯し、ストップします。
ちなみに、STEP+ボタンでLOOP(繰り返し)のON/OFF、STEP―ボタンでHOLD(鳴りっぱなし)のON/OFFが切り替わります。HOLDオフの場合はSTARTボタンを押した時だけ鳴り、サンプラーっぽいワンショットの再生が可能です。
REC
自分のフレーズを録音する際に使用します。押すことで赤く点灯しレコーディング・スタンバイ状態となり、鍵盤を弾くと自動的にレコーディングがスタートします。
レコーディング待機状態の時にレコーディング・モード(フレーズを重ね合わせるオーバーダビングモードもあります)の選択やクオンタイズ(自動タイミング補正・・どの最小音符のタイミングで修正するかを選択)の設定も可能です。
録音されたフレーズはTEMPという一時的な保管場所に置かれるので、気に入ったらWRITEボタンを押しUSERエリアに保存します。
さて、肝心のプリセットフレーズですが、まさに演奏情報の宝庫です。
いくつかのゴキゲンなプリセットフレーズを聴いてみましょう。
▼フレーズ紹介
どうでしょうか?テクノ的なフレーズから、絶妙なプログラミングによる生楽器系フレーズまでまさに宝庫と言えるラインナップです。
では、自分のフレーズを録音してみましょう。
さらにKEYPLAYでリアルタイムに移調させてみましょう。
▼フレーズ録音とKEYPLAY
もちろん、ステップ・シーケンサーとフレーズ・シーケンサーは完璧にテンポが同期するので、フレーズ・シーケンサーのフレーズをサンプリングネタっぽく活用することもできます。
▼ステップ・シーケンサーとフレーズ・シーケンサー
このような活用ができるのはまさにXWならではですね。
ぜひ皆さんも面白いアイディアでXWをガンガンに活用しましょう!!

学生時代よりEAST&WESTや 世界歌謡祭など数々のコンテストに出場するかたわら、作編曲、自己のグループ、スタジオミュージシャンなど本格的プロ活動をスタート。音楽コンサルティング、音楽ソフトウエア企画制作、音楽学校運営、作編曲、プロデュース、国内/海外デモンストレーション、研修、後進育成、連載執筆など、その活動は多岐に渡っている。特にデジタル楽器関連の分野では、その軽妙で豊かな経験に基く語り口と独自の視点によるハイクオリティで斬新なプロデュース作品が、常に業界の注目を浴びている。
また、いままで手掛けたTVCM音楽/楽器内蔵デモ曲は数百曲、デモ演奏/研修で訪れた国々は15ヶ国以上に及ぶ。
一般社団法人日本シンセサイザー・プログラマー協会(JSPA)理事