第4回 ステップ・シーケンサーを斬る!~プログラミング伝授します!

前回までは、XWサウンドの素晴らしさについて述べてきましたが、今回はXWシリーズの真髄でもある音楽制作の強い味方“ステップ・シーケンサー”について見てみましょう。
シンセサイザーに搭載されているシーケンサーというと、一般的によくある機能として16トラック・シーケンサー内蔵(16のトラックに自分でデータを打ち込んで各トラックに割り当てられた音色を鳴らす)というケースがほとんどなのですが、XWシリーズは他とは一線を画するステップ・シーケンサーを搭載しています。
XWシリーズのステップ・シーケンサーには以下の3つの特長があります。
・決められたステップ数内を繰り返し演奏する
・パート8から16までの9つのトラックで構成される
・1つのステップシーケンス内に8つのバリエーションがある

多大なメリットとして、常にループ(繰り返し演奏)しているので伴奏パターンが視覚的にも分りやすくプログラミングも楽チン、DJ的なプレイに即対応できます。

この部分がステップ・シーケンサーの心臓部ですね。
ボタンが1~16まで2段で並んでいるのが分かりますね。

1小節を16分割していると理解して下さい。すなわち1つのボタンが16分音符を表しています。

START/STOPボタンを押すことでステップ・シーケンサーが作動し16のボタン上を光が進みます。ボタンが押されて点灯しているところを通過すると音が鳴る、これがステップ・シーケンサーの基本原理です。

ディスプレイ画面の右側の8から16のトラックがステップ・シーケンサー専用のトラックに設定されており、
PART 8・・・Drum 1(主にバスドラ)
PART 9・・・Drum 2(主にスネア)
PART 10・・・Drum 3(主にハイハット)
PART 11・・・Drum 4(主にタム)
PART 12・・・Drum 5(主にシンバル)
PART 13・・・Bass
PART 14・・・Solo 1
PART 15・・・Solo 2
PART 16・・・Chord
に割り当てられています。(もちろん他サウンドへの割り当ても自由自在です。)

さらにコントロール・チェンジを扱える 4トラックも装備しています。

パートの切り替えは、PARTボタンを使用します。

例えばドラムでこのようなパターンが欲しい場合、

PART 8のバスドラは、

PART 9のスネアは、

PART 10のハイハットは、

となります。

BassやSolo,Chordのトラックは、16個のボタンの下にある8つのスライダーで音程を入力することも可能です。
常に1小節をループしているので焦らずじっくりと打ち込むのがコツですね。

当然、打ち込まれたパターンはずっと同じコード感で演奏されますが、スライダーの左端にあるKEY SHIFTボタンが点灯している状態だと、鍵盤で指定したKEY(調性)にトランスポーズ(移調)できます。素晴らしい!!

もちろん、MIXERボタンで、パートのオン/オフ、音色、ボリューム、パンはもちろん、リバーブやコーラスなどのエフェクト量も調整可能です。

もちろん、テンポ調整には不可欠のタップ・テンポも搭載しています。

抜群に使いやすいXWシリーズのステップ・シーケンサーはコンテンポラリーから最新ヒット曲を彷彿とさせるものまで100のプリセットがあり、それぞれに8つのバリエーションがあるので、合計800種類ものパターンがスタンバイ状態です。もちろん100のユーザーパターン・エリアでオリジナルパターンを収録可能です。 ぜひ、トライしてみて下さい。ホント楽しいですよ! 下記のムービーでもステップ・シーケンサーの醍醐味を体験できます。 ぜひ御覧ください。

学生時代よりEAST&WESTや 世界歌謡祭など数々のコンテストに出場するかたわら、作編曲、自己のグループ、スタジオミュージシャンなど本格的プロ活動をスタート。音楽コンサルティング、音楽ソフトウエア企画制作、音楽学校運営、作編曲、プロデュース、国内/海外デモンストレーション、研修、後進育成、連載執筆など、その活動は多岐に渡っている。特にデジタル楽器関連の分野では、その軽妙で豊かな経験に基く語り口と独自の視点によるハイクオリティで斬新なプロデュース作品が、常に業界の注目を浴びている。
また、いままで手掛けたTVCM音楽/楽器内蔵デモ曲は数百曲、デモ演奏/研修で訪れた国々は15ヶ国以上に及ぶ。
一般社団法人日本シンセサイザー・プログラマー協会(JSPA)理事